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  セミナー実施報告  
 

「余命2年を宣告された僕は、はたして不幸なのか?」
〜「量」ではなく、「質」で生きる。「今」を意識するということ〜

 
    講師:フリーライター 奥山貴宏氏
日時:
2004年2月10日(火) 19時半〜21時45分
 
   (19時15分開場、19時半〜21時半講演&質問、その後交流会)
場所
:SKIPS(スキップス)
    *最寄り駅:九段下駅、半蔵門駅、市ヶ谷駅、飯田橋駅→地図
    *住所:東京都千代田区九段南2-5-5 イシカワB.L.D九段-4F
費用:5000円(税込・当日払)
主催:有限会社 私には夢がある→詳細を見る
申込:終了しました。
 

 

講師:奥山貴宏氏(フリーライター)

 
    1971年生まれ。山形県出身。日本大学芸術学部卒業。出版社勤務を経て、ライターに。音楽、映像、パソコンなどのジャンルを得意とする。31歳の誕生日を迎えて間もなく体調を崩し、風邪をこじらせたと思っていたところ、肺がんと診断される。 Webマガジン「ポプラビーチ」で連載された「THE CANCERADRIFT」(2003年2月〜6月掲載分)をもとに、『31歳ガン漂流』(ポプラ社)を出版する。

◇「奥山貴宏氏HP」→詳細を見る
 

 

内容

 
    ●31歳でがん告知、余命2年の宣告を受ける。
→生活の中に新たに加わった、「闘病」という要素。
●牛丼並を食べきっただけでも、俺ってすごいじゃんって感動する。 前は牛丼大盛りでも軽く食べられたから。
●果たして、僕は不幸なのか?
→何年生きたかという「時間」ではない。量ではなく質。
●「一瞬」の価値を知っていれば、無駄にしても大事にしてもいい。
→それが、その人の生き様だから。
●今を生きるということ。
→「またたく瞬間」を意識する。
●可能な限り、やりたいことを、やりたいように、やる。
→死ぬときは前のめりで。
 

 

奥山さんの言葉(日記&著書より抜粋)

 
 

 

●今年死ぬかもしれないのにそんなに未来のことを考えてていいのだろうか?

●口が裂けても忙しいとは言わないゼ!「忙しい」と「金がない」は悪魔の呪文みたいなもので、口に出した瞬間からホントにそうなってしまう。「忙しい」も「金がない」も明確な基準がない以上、あくまで気分的なものだということ。

●自分より不幸な人をみつけても、幸せになれるわけではない。どちらかといえばその逆だ。

●不安を要因とした思いこみによる確証の無い話に振り回されるのはイヤだ。

●情報を滞らないように流れを付けるのがオレは本当の「知」だと思う。量ではなく質で勝負するべきだと。だから、本とか山積みの人を見ると頭の中が整理されていないだけか、情報の整理もできない人だと思ってしまう。

●まあ、来年まで生きられれば、それはそれでラッキーかなと。それよりも、今こう
して無事に新年を迎えられただけで嬉しい。ここに新年のメッセージを刻み込んで、みんなに読んでもらえるだけで充分なんだよ、ホントに。雑誌の仕事と日記その他の連載を続けながらだから大変だとは思うけれども、死ぬときは前のめりで行きたい。とにかく、死の瞬間まで文章を書き続けてやる。書きまくってやる。まあ見ててくれ!!!

●さらに来年は最悪死んでるかもしれないし、今年より成功しているかもしれない。
これも、マジメな話予想がつかない。医者にも分からないだろう。神のみぞ知るとい
う訳だ。「天など知らぬ、地も知らぬ。あるのは今、このまたたく瞬間(とき)のみ」とは高校時代に夢中になった麻雀マンガ「哭きの竜」に出てくるセリフ。カッコつけでなく、今は常にそう感じている。

●書き込みとかメールとで「一瞬一瞬を大事に生きようと思いました」とかいうのが来るんだけれど、そうじゃないんだよね。無駄に時間を過ごすのもありだし、一瞬一瞬を大事生きるのもその人の勝手。オレが言いたいのは「そのまたたく瞬間」というものを意識して欲しいということ。それを意識した上だったら時間を大事にしようが無駄にしようがどちらでもいいと思う。「一瞬一瞬を大事に生きろ」なんて言うのは、貧乏人に対して「お金を大事にしましょう」というのと一緒。金の価値さえ意識していれば、貧乏人で無駄遣いしてもオレはいいと思っている。それがその人それぞれの生き様だと思う。

 

 

参加者の感想

 
 

●昨日はありがとうございました。初めての参加だったのですが、とても、暖かい雰囲気で何を緊張して出かけたのだろうと、苦笑してしまいました。特に印象に残ったのは、「人生のピンチにも、ジョークや軽口をたたいて、カッコつけていたい」という言葉。「死よりも家族、知人、人々が自分を忘れていくのではないかという事の方が怖い」という言葉。「時間がない、お金がない、は絶対嫌い」という言葉。「ユーザーサポート」(笑)という言葉。正確には覚えていないのですが、こんなような感じの言葉です。人々が自分を忘れていくのではないか。これは、私も時々考えることなので、非常に共感しました。

私は今現在、多分健康体ですが、去年、交通事故にあって以来「あ〜、人って突然死ぬもんなんだ」と実感しました。救急車の中では、「あ〜、破れたパンツ、捨てておけばよかった」と思いました。病院から戻った後、破れたパンツをきちんと捨て、しばらくは、生きるという事に対して、モチベーションが上がっていました。が、愚かな人間なものなので、最近はその気持ちがだんだん下降線をたどり始めていました。ですが、昨日、講演会に参加したことで、再び火がついた気がします。

そして、なによりも心に残ったのは、奥山さんがずっと立ったままお話をされていた事です。その姿勢に今回のお話の全てが集約されていたのではという気がしました。もっと、もっと、いろんな事を感じたのですが、まだ、胸の奥でモヤモヤとした状態で、言葉に変換することが出来ないでいます。ここに書けたのは、25%程度です。これから残りの75%、それが何かを考えていきたいと思います。

●日記は独り言。映像は空気がない。だから、トーンを直に発する彼を感じて、「あぁ、こんな国語の教師がいたら、生徒は盛り上がるし集中するだろうなぁ。ワイルド&マイルド。IQ・EQのバランス最高」と思いました。稀有な講師を招いていただいてありがとうございます。(Y.Y)

●奥山さんの話の中で、「死ぬ事の怖さより、自分が忘れられる事のほうが怖い」「Webで日記を書いていても、PCだとウィルスや電磁波でHDが壊れる事もあるから、本という形で残したかった」っておっしゃってましたが、自分は奥山さんの生の声でお話を聞けたことで、奥山さんという人の記憶が心にしっかりと刻まれました。 片時も忘れずにいるって事はないかもしれませんが(笑)、心のHDは電磁波やウィルスにも負けないからいつまでも忘れないと思うし、もし本当に近い将来に宣告された通りになってしまったとしても、奥山さんからの命のバトンをお裾分けしてもらったような気がしています。サインを貰うつもりで事前に本買ったのに、当日になって何故か躊躇してしまって敢えて本を家に置いてきてしまったけど・・・サインが無くても大丈夫。(Y.N)

●私が奥山さんの話を伺って感じたことは、自分の「何か」を持つことの大切さです。その「何か」には、仕事・大好きなこと・Life Work・生きがい・・・・・などなどいろんな呼び方がありますが、要するに、自分のあらゆることが昇華できること。奥山さんは、「書く」ことを持っていた。だから、自分に起きたあらゆることを「書く」ことでなんとか昇華して、それを通して奥山さんにとって大事な価値観である「カッコよさ」を保てている。私には、そんな風に印象に残っています。「時間がないから、お金がないから・・・・・」は、それを言うと全てが正当化されてしまう悪魔のフレーズ。でも、この言葉を使うのは「超〜カッコ悪い!!」このメッセージ、しっかり頂きました。(O)

●昨日はありがとうございました。まずは、セミナーの講師に奥山氏を選出され、実現してくださってありがとうございました。それで、われわれはあの時間を共有できました。昨日あの部屋に入り岩崎さんの様子を伺って、奥山さんと醸し出す雰囲気が正反対の方だなと。こういうセミナーは奥山さんが一番遠ざけてきた世界なのではないか、と違和感を感じました。それこそ、格好悪いことなのでは、と。質問コーナーで岩崎さんの「なぜ今回の話しを受けられたのか」の答えを聞いて、わかりました。おかげさまで今回のセミナーでは奥山氏の文章から受ける印象を実態のあるものにすることができました。私はガンのことよりもあの情報の収集力、興味の持ち方の広さ、社会の見方、観察眼、洞察力などが鋭いと思い、そのことに感心していました。それを実際にお話を伺ってより強く感じました。もちろん本を出版してから、世界が大きく広がったこともあるのでしょうが、そこのところを尊敬しています。(T.M)

●先日は奥山さんの講演会、ありがとうございました。「夢ある」のセミナーは噂では伺っていましたが、初めて参加してとても有意義だったと思います。また、最後に示して下さったボードの「私には夢が無いのがコンプレックスだった〜」という文章はまさに私のことだと思いました。親からは30歳過ぎても何にもなれず、結婚もせず・・・と毎日煽られて、自分は何のために生まれてきたのだろうと、落ち込み気味でした。去年くらいから、自分でも自分のできることを見つけて世の中を変えたい、役に立ちたいと思うようになりました。それでも何をしていいのか分からず日々一生懸命やって楽しむだけ。周りの人からは「エネルギッシュ」とか「何かした方がいい」と言われて、あとは方向を定めるだけといった感じでした。まだ何かは見つかりませんが、先日のセミナーで自分の中で静止していた細胞が少し動き出したような目覚めの気分です。また、素晴らしいお話を伺えるチャンスを楽しみにしています。よろしくお願します。(U.Y)

●奥山さんのお話をお聞きして、私の中に生きるエネルギーみたいなものが、充電されたような気がします。幸せって何なのか、死ぬってどういうことなのか、生きるってどういうことなのかが、うまく言葉にはできませんが、頭の中ですーっとつながったような感覚があります。私は以下の言葉が、特に、印象に残りました。

「本を出すことによって、自分をいかに客観的にみれるかということのチャレンジになった」、「液晶テレビを買うことによって、自分が自分でなくなっちゃう。病気であせっている人になりたくなかった」、「たとえ世界の週末が明日であろうとも、私は今日りんごの木を植える・・・という言葉のように、一番大事なのは普段の日常(生活)」、「死ぬ前に贅沢するっていうのは、健康な人が考えた理屈。だって楽しくないから。むなしいだけ。結局日常が一番大事。そしてその日常に気付けたのは、病気になったから」、「今は普通に仕事してるだけでも楽しくて充実感がある。仕事をしているからこそ電話がかかってくる。そういう当たり前のことがいとおしく感じる」、「自分自身でいたい。自分自身でありつづけたい。自分が自分でなくなるとしたら、生きている意味なんてあるのか。果たして生きていても幸せなのだろうか」、「たかだか病気になったくらいで、自分であることを明け渡すのはイヤ。たえられないとボクは思った。自分を失いたくない。病気だから・・・という理由で、自分でいることをあきらめたくない」、「自分を表現したい。それが、オレにとっては文章を書くこと」、「オレは「時間がない」「お金がない」だけは言いたくない。なぜなら、かっこ悪いから」、「死ぬことは、わかんないから勝手に想像してしまって怖い。でもそれ以上に、自分のことを忘れ去られることが怖い」。本当に、心に残るお話、ありがとうございました。(S.W)

●今回初めて参加させていただいたのですが、奥山さんのお話はもちろん、「私に
は夢がある」の活動に触れることそのものが、個人的には大変刺激となりました。僕は社会人になって2年、いわゆる経営課題のコンサルティングの仕事に携わっています。そこでは、いかに「改革案(アイデア)」を実際の「行動」に結びつけることが難しいか。人が行動を起こすということがいかに難しいことなのかということを考えていました。

答えは最初から自分の中に出てる。ビジネスでも、プライベートでも、なにか問題に直面したとき、僕は悩みます。誰かに相談したり、本を読んだり。自分はどうするべきなのかということを考えるわけですが、実はその答えは出ていることがほとんどです。
巷でもてはやされている論理的思考を働かせて、こうあるべきだという”あるべき方向”は見えています。結局、そこに向かっての歩を進められるかどうかといったことが重要であり、難しいこと。

”実行した”という結果が重みを持ちます。奥山さんの話で、【幸せ=質×量】で、量だけを追い求めてもしょうがない。病気というアクシデントによって幸せの構成要素である”量”に対して制約が生まれた以上、幸せを最大化するために”質”を大事に生きようというのは、当たり前のことだし、誰しもが考えつくことじゃないでしょうか。そうであれば、奥山さんの行動は別に不思議でもなんでもなくて、幸せを追求する本能をもつ人としては普通の行為のはず。でも僕らは、そんな当たり前の行動をしただけのはずの彼の話をわざわざ聴きにいきました。それは、彼の考えたことではなく、行動をおこしたという結果に惹きつけられたのだと思います。極端な話、僕は奥山さんの話がうまかろうと、下手だろうと関係ありません。何をしゃべってもと言ってもいいかもしれません。

僕は、まだ行動できない。どんなに合理的に導き出した選択肢であってもそこに1%でも不確実性があれば不安をかんじるものです。行動を起こすことっていうのはできない人にとっては理屈ぬきにハードルが高いんです。だから、なによりも重要で何よりも難しいことを実行している人を、五感で感じて、自分自身を変えるためのきっかけにしたい。といった感じでしょうか。そして、今回”それ”は僕の中で言葉じゃない何かとして確かに感じることができました。「私には夢がある」の活動もおんなじです。期待していたたとおり熱いものを感じました。機会があれば、別の講演にもぜひ参加させてもらいます。(Y.K)

●奥山さんのお話を聴いていて、言い様の無い哀しみと喜びを感じました。余命がもう2年も無いと言う理不尽さへの哀しみと、そんな状況だから感じる事の出来る生への喜びと。最後に奥山さんにご挨拶をする時に「正直、あなたが羨ましいです」と言ったのもこの感覚が強かったからだと思います。僕は身内を亡くしています。急な病気であっと言う間にこの世を去りました。その人には、奥山さんの様に人生について考える瞬間もなかったのです。今、僕はその人の分まで人生について考え、よりよい人生を生きていこうと思っています。いえ、「自分はそう思っている」と思っていました。しかし、奥山さんのお言葉を聴いて、正直ショックを受けました。特に「『時間が無い・お金が無い』という言葉はかっこ悪い。そう言う人は 何歳になっても、いくら貯金できても、何もできないだろう」と仰るのを聴いて、自分が全く前述した様な生き方が出来ていなかったと愕然としました。先日の志村さんの講演で学びました。「死は終わりではない。その人の生は受け継がれていく」と。奥山さんの生きた証を僕も受け継ぎたい。この人の事、忘れたくない。そう思いました。(A.R)

●とても面白い講議で、どこか無駄をそぎ落とされたソリッドな言葉の端々に彼の前向きな生き方を伺うことができました。ちょっとくらい不器用でも、自分に対して正直に表現することが、今の自分にも必要なのだと奥山氏の立ち振る舞いから感じました。彼は今幸せです。きっと。今後も「私には夢がある」が発展すること応援しています。(M.D)

 

 

主催者の感想

 
 

●「私には夢がある」の岩崎久美です。初めてお会いしたとき、奥山さんがおっしゃった「時間じゃないんですよ」という言葉が忘れられず、著書の『31歳ガン漂流』(ポプラ社)とHPの日記を読みました。想像していた涙がぼろぼろと出てくるような「闘病記」とは違いました。冷静に自分と周りをみつめて淡々と書かれた奥山さんの日記。心の奥底からじわーんと何かが湧き上がってくるような読後感。奥山さんの日記には、一貫して前向きさが流れています。ガンガンと突っ走る無理をした前向きさではなく、「こだわった前向きさ」です。

あとがきのなかに「どんな形であれ文章を書き続けることで自分であり続けることができたし、文章を書き続けることでしか自分であり続けられなかった」という文をみつけたとき、この方にどうしても講演をお願いしたいと思いました。

奥山さんの日記で、一番好きなのは、「無駄に時間を過ごすのもありだし、一瞬一瞬を大事生きるのも、その人の勝手。大切なのは、『そのまたたく瞬間』というものを、意識するということ。それを意識した上だったら時間を大事にしようが、無駄にしようがどちらでもいいと思う。それが、その人の生き様だから」という言葉です。

講演当日は、奥山さんのお話におなかがよじれるほど笑いました。そして、新しい発見もたくさんありました。奥山さんの「自分を明け渡したくなかった」という言葉、とても心に残りました。私はつい「ことなかれ主義」を選んでしまう傾向があるからです。自分自身であり続ける価値を自分に認めてあげることが、プライドを持つことなんだなぁと感じました。(岩崎久美)

 

 

備考

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